Microsoftが新たに提供する「Windows Server 2025」はさまざまな企業向けの機能が追加された他、非推奨になった機能もある。機能の変更点を含めて、移行時の注意点をまとめた。
Microsoftは2024年11月にサーバOS「Windows Server 2025」の提供を開始した。Windows Server 2025では企業向けのさまざまな機能が追加されただけでなく、非推奨となった機能や、削除された機能もある。こうした機能面の変更に加え、Windows Server 2025を利用するための条件や移行方法など、移行時の注意点を確認しておこう。
Windows Server 2025には、最低1.4 GHzで動作する64bitのCPUが必要だ。CPUは以下の機能を搭載している必要がある。
CPUは以下の命令および命令セットを実行できる必要がある。
Windows Server 2025の最小メモリ要件は512MBだ。ただし、Windows Serverのインストールオプションである「デスクトップエクスペリエンス」搭載サーバの場合は少なくとも2GBのRAM(Random Access Memory)が必要で、Microsoftは4GBを推奨している。デスクトップエクスペリエンスとは、マウスやキーボードで操作するメニューを備えたGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)を提供する機能だ。
Windows Server 2025は、32GBのストレージを持つシステムにインストールできるが、Microsoftはこれが最小値であることを強調している。マシンに16GB以上のRAMが搭載されている場合、システムはページング(メモリを分割する処理)、ハイバネーション(休止状態)、メモリダンプ(メモリの内容をストレージに記録する処理)のために追加のストレージ領域を使用する。Microsoftは、特にデスクトップエクスペリエンスの実行時に、64GB以上のストレージ容量を推奨している。
Microsoftによれば、Windows Server 2025は転送プロトコル「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)を採用したストレージを利用することで、「Windows Server 2022」と比較してIOPS(1秒間に処理する入出力数)が最大60%向上する。
Windows Server 2025の最小ネットワーク要件には、汎用(はんよう)インタフェース規格「PCI Express」(PCIe)に準拠したイーサネットアダプターが含まれている。
MicrosoftがWindows Server 2025で非推奨としている機能が幾つかある。非推奨とは、利用できないという意味ではなく、これらの機能は現時点で積極的に開発されておらず今後の更新プログラムで廃止、削除される可能性があるということだ。
非推奨機能に依存するワークロード(処理やタスク)はWindows Server 2025では実行できるが、次のWindows Serverがリリースされる際のアップグレードの問題を避けるために、代替案を検討すべきだ。どのような機能があるのか。
非推奨の機能には以下のようなものがある。
MicrosoftはWindows Server 2025で、以下のような幾つかの機能を削除した。これらの機能に依存していたアプリケーションやスクリプトは、代替手段に移行しない限り動作しなくなる。主な削除された内容は次の通りだ。
Windows Serverの新バージョンに移行することで新機能や保守サポートを新たに利用可能になることは、企業にとって有意義だ。とはいえ、移行は容易ではない。Windows Server 2025に移行する前に、企業は既存のハードウェアが最低限の要件を満たしていることを確認する必要がある。必要な移行の種類についても検討する価値がある。
「Windows Server 2012 R2」以降を実行している場合、Windows Server 2025へのインプレースアップグレード(既存のシステム環境やデータを維持したままインストールする方法)を利用できる。
Windows Server 2012 R2より古いバージョンからインプレースアップグレードを利用したい場合は、まずWindows Server 2012 R2以上にアップグレードしてからWindows Server 2025にアップグレードする必要がある。
本番環境のサーバを移行する前に、検証環境でテストすることが非常に重要だ。テストでは、移行プロセスが機能することを確認するだけでなく、ワークロードとアプリケーションがWindows Server 2025で引き続き正常に動作することも検証すべきだ。
移行を進める準備ができたら、サーバのフルバックアップを実行する必要がある。そうすることで、深刻な問題が発生した際にロールバックできる。移行を開始する前にテストを実施し、バックアップが意図した通りに機能することの確認もすべきだ。
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