プロプライエタリ製品の有力な代替手段として地位を確立したオープンソースデータベース。その厳密な定義と、オープンソースデータベースを利用することで享受できるメリットを取り上げる。
データベースは、従来のオンプレミスシステムからクラウドサービスまで、さまざまな形態のシステムにあるアプリケーションを支えている。データベース市場は、特定のベンダーが開発、管理するプロプライエタリ(ソースコード非公開の商用製品)なデータベースが主流だったところに、オープンソースのデータベースも着実に普及してきた。
オープンソースソフトウェアは、ソースコードを公開することを前提にしており、一般的にはコミュニティー主導で開発を進める。このアプローチには、開発に関わる人を増やし、ユーザー企業が特定のベンダー技術に縛られる「ベンダーロックイン」を回避するという狙いがある。OS「Linux」やクラウドサービスの普及、さまざまな形式のデータを扱えるデータベースの登場も、オープンソースデータベースの利用拡大を加速させた一因だ。
本稿はオープンソースデータベースの概要と、オープンソースデータベースを利用する主要なメリットを解説する。
オープンソースデータベースは、オープンソースライセンスの下で開発、公開されるデータベース管理システム(DBMS)を指す。オープンソースを推進する非営利団体Open Source Initiative(OSI)が定義した、ソフトウェアがオープンソースであるための条件「Open Source Definition」(OSD)を満たすものが、オープンソースソフトウェアとして認められる。
だが近年、状況は複雑になっている。オープンソースデータベースを開発したベンダーの一部が、OSDにはおおむね準拠しつつも、OSIの承認を受けていないライセンスを採用するケースが出始めている。ソースコードは閲覧可能だが、オープンソースとは利用条件が異なるといったものだ。このようなライセンスを「ソースアベイラブル」と呼ぶ。その目的は、オープンソースデータベースの開発元が、自分たちのデータベースをクラウドベンダーに無償で利用され、自社のデータベースサービス(DBaaS:Database as a Service)として提供されることを防ぐことにある。ソースアベイラブルデータベースは、純粋なオープンソースデータベースとは異なるが、プロプライエタリなクローズドソース(ソースコードが公開されていない)データベースの代替という文脈では、従来型のオープンソースデータベースと並べて語られるのが通例だ。
オープンソースおよびソースアベイラブルというカテゴリーで見ると、さまざまな種類のDBMSが出回っている。データを行と列で表す「リレーショナルデータベース」や、それ以外のさまざまな形式でデータを保持する「NoSQLデータベース」、複数のデータモデルを扱える「マルチモデルデータベース」などが利用できる。
オープンソースデータベースやソースアベイラブルデータベースには、以下の利点がある。
次回は、主要なオープンソースデータベースおよびソースアベイラブルデータベース12個のうち1〜4個目を紹介する。
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